本気度の高い学生と出会うため、まずは適切な認知形成を

当社の新卒採用は、長いこと、学生からの認知に対して課題を抱えていました。知名度もそうですが、社名に「電通」という冠がついていることもあり、実際とは異なるイメージを持たれがちだったためです。そのような中で何とか採用したい学生と接点を持つために、大手就職サイトの運営会社が主催する合同説明会にひたすら出続けたこともありましたが、思うような成果が挙げられていませんでした。そんなときに意識し始めたのがONE CAREERです。私たちは毎回インターンシップの参加者に「最も活用している情報源」をアンケートで聞いているのですが、2017年頃からONE CAREERと答える学生が増えていることに気づき、一度話を聞いてみようということになりました。
お話を聞いた第一印象は、「ONE CAREERユーザーの学生が当社に興味を持ってくれるのだろうか」という不安でした。Web掲載やイベントの参加企業が、いわゆる学生に人気のある有名企業が多かったからです。それでも試しにと思い、参加した京都・東京での合同説明会では、参加学生から受ける質問のレベルが高く、就職に対して意欲的な学生が集まっていると実感しました。ただ、せっかく良い学生が来ているからこそ、当社のブースにもっと学生が集まるようにしたい。有名企業が多い中で学生を集めるためには、当社の採用市場におけるブランドを高め、認知してもらう必要がありました。
記事広告で企業のイメージチェンジに成功──「アイデア重視」から「技術力重視」へ

20卒採用では、ONE CAREER上に記事広告を掲載しました。私たちは親会社が電通なので、システムインテグレーター業界の研究記事では「電通系」と一言で済まされてしまうこともあり、「アイデア重視の広告系IT企業」というイメージが先行しがちです。しかし実際は、電通関連ビジネスが売上高に占める割合は全体の25%程であり、それ以外にも新規ビジネスの立ち上げや、最先端の技術を活用したプロジェクトも多く、多種多様な業界のお客様とお付き合いしています。こういった情報を発信し、適切な認知形成を促せる場として相応しいと考え、ONE CAREERへの記事掲載を決めました。全3回にわたって、異なる切り口で当社の魅力を伝える記事を出したのですが、当初見込んでいたより多くの人に読んでもらうことができました。結果として、内定者へのアンケートにおいて、以前は当社の魅力について90%程度が「人」と答えていたのが、今では約30%が「技術力」や「事業の魅力」と答えてくれるようになりました。人と技術、両方の魅力に気づいてもらえるようになり、それが採用にも繋がったことは大変満足しています。
また、エントリーについても、応募学生の質が上がり、数も大幅に増えました。さらに、元々は大手採用サイト経由でエントリーする学生が最も多かったのですが、最近ではONE CAREER経由のエントリー人数が最も多くなりました。また「関西の採用に苦戦している」という当社の課題も解決できました。18卒採用では入社者46名のうち、関西の大学出身者は1名のみ。大学別でエントリー数を出すと、上位10校はすべて関東の大学でしたが、19卒では、上位10校のうち半分が関西の大学になり、関西の学生の内定承諾数も増加しました。
就活生の人生を思って、情報を発信していきたい

「売り手市場」などと言われ、外部環境が厳しくなっている中で、採用で成果を挙げられているのは、学生にきちんと当社のことを届けられるようになってきたからだと感じています。
ONE CAREERは、学生が信頼できるクチコミやコンテンツを提供している数少ない媒体だと思っていて、今後も「質」にこだわって、それを担保し続けて欲しいですね。私たちも毎年、採用人数等の目標を掲げてはいますが、何より、学生一人ひとりが悔いなく就活を終えることができ、その後仕事で活躍をして、人生を楽しんで欲しいと思っています。そのためにも、ONE CAREERには学生のために役に立つ情報を発信して欲しいし、当社がそんな真剣な学生の選択肢のひとつになれるよう、私たちも引き続き活用させてもらいたいと思っています。